会長挨拶
第31回日本がん看護学会学術集会長挨拶

 このたびの平成28年熊本地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申しあげます。

第31回日本がん看護学会学術集会 会長 藤田 佐和

 第31回日本がん看護学会学術集会を会員、関係者の皆様のご支援・ご協力を賜り、高知で開催できることを心より感謝申しあげます。今回の学術集会のテーマは、「がん看護の跳躍する力-未知なる世界の探究-」としました。
 わが国は、2035年には高齢化がピークを迎え65歳以上の方が約4割となる超少子高齢社会を迎えます。がん対策の進捗、先端医療のイノベーションは見られますが、依然として「がん」は国民の生命と健康、生活にとって重大な課題です。このような時代、健康と生活を支援するケアには、どのようなことが求められるでしょうか。がんになっても安心して暮らせる社会の構築を目指して、未知なる世界に向けて学問領域の壁を超越して取り組むことががん看護に求められています。
 そこで、本学会では、変貌する社会やがん看護に関わるさまざまな移行を見据え、人や組織がもつ力、地域や国際社会がもつ力、施策がもつ力、力の融合による新たな力に着眼し、日本がん看護学会がこれまで蓄積してきた実践・教育・研究の叡智を礎に、がん看護の跳躍する力について一緒に考えていきたいと思います。
 改めて健康と生活を支援するケアについて多角的に問い、また、がん対策基本法が成立して10年経過しても未だ残されている課題、新たな課題、未知なる課題について、がん看護が果たす役割を模索します。そして、がん患者がもつ力を重視した高齢がん患者の意思決定、がん治療と苦痛緩和、AYA世代・若年がんサバイバーの就労、がん患者教育、地域包括ケア、がんサバイバーのなどの視座からがん看護の跳躍する力について考える学術集会にしたいと思います。
 ご参加いただく皆様にとって有意義な2日間になりますように、関係者一同準備を進めてまいります。
 “空がきれい” “空気がおいしい” 高知で多くの皆様のご参加をお待ちしております。

第31回日本がん看護学会学術集会
会長 藤田 佐和
高知県立大学看護学部 教授