プログラム

日程表

日程表 2月4日(土)  日程表 2月5日(日)

プログラム

テーマ がん看護の跳躍する力 -未知なる世界の探究-
会長講演
「がん看護の跳躍する力 -未知なる世界の探究-」
演  者 藤田 佐和(高知県立大学看護学部 教授)
座  長 小松 浩子(日本がん看護学会 理事長、慶應義塾大学看護医療学部 教授)
日  時 2月4日(土)9:00-9:50
会  場 第1会場(高知県立県民文化ホール オレンジホール)
企画意図  わが国は2035年には高齢化がピークを迎え65歳以上の方が約4割となる少子超高齢社会となり、世界に前例のない未知なる世界を迎える。どのような世界が展開されようとも、がん看護には、多様な文化や価値をもつがんとともに生きる人々とその家族の健康と生活を支援するケアを実践し続けることが求められる。先行きの予測が難しい今、改めてケアについて多角的に問い、模索しなければならない。
 本学会は昨年30周年を迎えた。これまで蓄積してきたがん看護の実践・教育・研究の叡智を礎に、未知なる世界に向って跳躍する時機を迎えている。変貌する社会やがん看護に関わるさまざまな移行を見据え、がん看護を軸として社会と協働しながら専門領域や学問領域の壁を超越して、未知なる時代のケアについて探究しなければならない。実践―教育―研究の融合および循環において、がん患者とその家族のもつ力を重視した生活を支えるケアについて、教育の視座から考えていきたい。
特別講演
特別講演1
「これからのケアサイエンスと看護学の展開を考える」
講  師 古在 豊樹(千葉大学名誉教授、NPO植物工場研究会理事長、日本学術会議連携会員)
座  長 藤田 佐和(高知県立大学看護学部 教授)
日  時 2月4日(土)9:50-10:50
会  場 第1会場(高知県立県民文化ホール オレンジホール)
企画意図  がん医療が高度専門分化する状況で、同時に未踏高齢化や慢性的な疾患を併せもつがん患者が急速に増加し、社会は先端的な医学的介入を必要とする一方で、生活調整や生活支援を中心としたケアを必要としている。ケアを探究する学問は看護学の他に社会学、福祉学、教育学、心理学、植物学など多岐にわたっている。また、様々な分野で実践家としてケアを担い、さらにそれを探究するアプローチが提示されている。21世紀がケアの時代といわれているなかで、学問的にケアというものを考え、それを科学的に探究することや、学問領域の壁を超越してケアサイエンスとして探究していくことが問われている。
 古在先生は、「植物環境学を学んだ市民の立場からいのちのケアについて語り、今後の社会を安定的にし、また、人々の人生の質を高めるためには、いのちの輪廻的な持続性、多様性に関わる概念、風習、文化への理解を社会全般に取り入れていく必要性を説かれている。先生のケアサイエンスについての考えを共有することで、将来がん看護を担う教育研究者や実践家が、いのちや人のケアにおいて果たす役割や貢献について新たな示唆を得られると考える。
特別講演2
「がん看護学の学術的発展と社会的役割」
講  師 内布 敦子(日本がん看護学会 副理事長、兵庫県立大学看護学部 教授)
座  長 佐藤 まゆみ(千葉県立保健医療大学健康科学部 教授)
日  時 2月4日(土)11:10-12:10
会  場 第1会場(高知県立県民文化ホール オレンジホール)
企画意図  日本がん看護学会は、30年の歴史を礎に次への跳躍が期待されている。日本学術会議の学術研究団体学会として認められてからも久しい。看護学が専門分化していく中で、がん看護学の学術的発展のためには、そこに関わる教育・研究・実践者の組織化は不可欠であるが、他の看護学や看護学以外の学術団体との連携は不可欠である。
 内布先生は、日本がん看護学会の副理事長であり、また日本学術会議の連携委員、日本看護系学会協議会理事として、学術団体の中でがん看護学を発展させて、新たな知見を創生する活動に取り組まれている。今後、他の団体や学術会議の委員および連携委員との連携を一層強めながら、がん看護学の発展と社会に向けた提言ができるよう、他の看護系学会との連携、調整をより強めていくための考えや方略について教えていただく。このことは、がん看護の将来を担う教育・研究・実践者が今後取り組む課題への示唆を与えてくれると考える。
特別講演3
「アジアのパートナーシップと協働による新たながん看護学の発展」逐次通訳あり
講  師 Dr. Winnie K.W.SO, PhD(The Chinese University of Hong Kong)
座  長 鈴木 志津枝 (神戸市看護大学 学長)
日  時 2月5日(日)10:20-11:50
会  場 第3会場(高知市文化プラザかるぽーと 大ホール)
企画意図  世界人口の5/6がアジア圏で生活している現在、アジアにおけるがん罹患者数は増大し、地球規模でのがん医療・看護の課題やアジア文化圏での課題が生じることが予測される。グローバル化、国際化が伸展しているわが国において、日本のがん看護に携わる看護職者がアジアでの国際化に目を向け、アジア文化圏におけるがん看護を学び、また日本からアジアに発信していくがん看護を考えることは重要である。Asian Oncology Nursing Societyは、2011年に構想され、2013年に、アジアの9か国(中国、インド、インドネシア、日本、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ)によって設立された。今後、アジアのコンソーシアムとしてがん看護学を発展させていくことが期待される。
 Assoc. Prof. Winnieは、がん予防、がん患者の症状マネジメント、サポーティブケア、QOLなどを専門としている。AONSの理事長として、アジアのがん看護の展望や自身のこれまでのがん看護研究について語っていただき、日本およびアジアのがん看護の質を向上させるための戦略についての示唆を得る。
教育講演
教育講演1
「未知なる時代への看護学の挑戦」
講  師 南 裕子(高知県立大学 学長)
座  長 内布 敦子(日本がん看護学会 副理事長、兵庫県立大学看護学部 教授)
日  時 2月5日(日)9:00-10:00
会  場 第1会場(高知県立県民文化ホール オレンジホール)
企画意図  わが国の看護学を取り巻く状況は、社会の大きなイノベーションのなかでしなやかな変容を遂げ続けている。なかでも看護学の学術的な専門性の高度化や看護職の専門性拡大の発展は目覚ましく、とりわけ高度実践看護師制度の確立と公への認知の拡がりは、私たち看護に携わる者すべてにとって、これからの時代を切り開くための大きな原動力となっている。また、先人の取り組みの賜物として、新たな看護の専門領域の誕生、学術学会の創設、国際社会での発信などの機会が得られるようになり、看護に携わる者は、活動や活躍の場が拡張し、夢を描いて次の時代に挑むことができるようになった。
 南先生は、わが国のトップリーダーの一人として看護界を牽引し、看護の教育・研究・実践・政策の創生・進展に貢献されている。そこで未知なる時代、未来に向けて看護学が挑戦しなければならないことを中心に、自身の考えやビションについてお話しいただく。これらを通して、がん看護の将来を担う教育・研究・実践者が今後取り組まなければならない課題を考える機会としたい。
教育講演2
「ケアシフトを推進する力:「出る杭」になって看護イノベーションを!」
講  師 松下 博宣(東京農業大学・東京情報大学看護学部設置準備室 教授)
座  長 田中 京子(大阪府立大学地域保健学域 看護学類 教授)
日  時 2月5日(日)9:00-10:00
会  場 第3会場(高知市文化プラザかるぽーと 大ホール)
企画意図  社会構造や社会システムの変化に伴い、がん医療・看護におけるビジネスのあり方も大きく「ケアすること」に向けて変化しつつある。それは健康へのケアであったり、他者のことを気にかけるケア、コミュニティへのケアであったりする。このような変化において専門的知識・技術を持つ看護専門職がビジネス(起業)に参画することや看護職が培ってきた知見をもとに産官学研究に共同で取り組み、国民に還元していくことが重要となる。
 松下先生は、起業家論、ベンチャービジネス論、技術経営論などを教授され、幸福を推進するためにある社会システムについて、ケアシフトの視点で再構築を説かれている。医療サービスやケアの担い手としての看護のあり方に根本的な変革が期待され、ビジネスのあり方が大きくケアすることに向けてシフトしている現在、ケアシフトについての考え方や課題、社会的起業(social entrepreneurship)などについて、医療コストに関することも含めてお話していただく。このことは、がん看護の将来を担う専門職者が、新たに「ケアすること」にどのように参画していくかについての示唆を与えてくれると考える。
シンポジウム
シンポジウム1
「超高齢社会におけるがん患者と家族の意思決定支援」
シンポジスト 小川 朝生(国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科 科長)
小澤 桂子(NTT東日本関東病院 がん看護専門看護師)
品田 雄市(東京医科大学病院 総合相談・支援センター 認定医療社会福祉士)
高梨 早苗(国立長寿医療研究センター 老人看護専門看護師)
座  長 秋元 典子(岡山大学大学院保健学研究科 教授)
森 文子(国立がん研究センター中央病院 がん看護専門看護師)
日  時 2月4日(土)10:10-12:10
会  場 第3会場(高知市文化プラザかるぽーと 大ホール)
企画意図  高齢がん患者と家族においては、診断期、治療期、終末期、在宅療養期のいずれにおいても治療や生活にまつわる意思決定を求められる状況が生じている。人々の知る権利および自己決定の権利を擁護する役割を担うべき看護師には、高齢がん患者と家族の意思決定に積極的にかかわる責務がある。しかし、高齢者の場合、認知機能低下に伴い本人との意思疎通が行いにくくなる可能性が十分に予測される。そこで高齢者自身が明確に意思を伝えられるうちから意思決定に介入していくアドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning;ACP)とその重要性について、治療期、在宅療養期、終末期における高齢がん患者と家族の意思決定支援の実際と課題について、高齢者の特徴を踏まえた提示を通して、高齢がん患者と家族の意思決定支援にかかわっていくための新たながん看護を探究する機会にしたい。
シンポジウム2
「AYA世代・若年がんサバイバーの就職・就労支援」
シンポジスト 山田 裕一(日興アセットマネジメント株式会社 グローバル人事企画部)
清住 雄希(厚生労働省健康局 がん・疾病対策課 課長補佐)
高下 裕子(京都大学医学部附属病院 医療社会福祉士)
西村 裕美子(兵庫医科大学病院 がん看護専門看護師)
座  長 雄西 智恵美(徳島大学大学院医歯薬学研究部保健科学部門 教授)
小迫 冨美恵(横浜市立市民病院 がん看護専門看護師)
日  時 2月5日(日)13:55-15:55
会  場 第1会場(高知県立県民文化ホール オレンジホール)
企画意図  がん医療の飛躍的な進歩により、仕事に復帰・継続しているがんサバイバーも増えつつある。しかし治療によるさまざまな理由で、就職・復職を断念といった就労を求めないがんサバイバーも多い。特に、小児がんを経験しているAYA世代では、就職の意欲は十分であるが、多くが就職の悩みを抱えていることが報告されている。“がんサバイバーの就労を支える”こと、なかでも少子超高齢社会においては、若い世代の就労は今日喫緊の課題であって、医療チームのみならず福祉や行政との連携が不可欠な課題である。そこで、がんサバイバーの立場を中心に、行政、ソーシャルワーカー、そして看護の立場から、AYA世代・若年がんサバイバーの主要な目標のひとつである“働くこと(就職・就労)”をどう支援すべきかについて討議し、連携した支援体制のなかで看護職の取り組むべき役割や課題について新たな知見を得る機会にしたい。
パネルディスカッション
パネルディスカッション1
「チームで支えるがん患者のエンパワーメント」
パネリスト 小山 富美子(近畿大学医学部附属病院 がん看護専門看護師)
渡邊 慶子(高知学園短期大学生活科学科 教授 がん病態専門管理栄養士)
組橋 由記(徳島赤十字病院 がん専門薬剤師)
水野 照美(佐久大学看護学部 教授)
座  長 齊田 菜穂子(山口大学大学院医学系研究科保健学専攻 教授)
近藤 まゆみ(北里大学病院 がん看護専門看護師)
日  時 2月4日(土)14:05-15:45
会  場 第1会場(高知県立県民文化ホール オレンジホール)
企画意図  がんに罹患しても自分自身の人生に責任を持ちながら、患者が生活や人生に自信を持って取り組むことを支援するためには、エンパワーメントの視点が重要になってくる。医療者がエンパワーメントの視点をもつことは、治療や療養の場が変わっても患者を中心にケアを提供することに他ならず、患者の力、家族の力、医療チームを構成するスタッフの力がうまく融合されることによって、新たな力を生み出していくことが期待される。患者自身のエンパワーメントを支援するためには、患者教育の視点が重要であるが、単なる情報提供にとどまらず、獲得した情報を患者自らが活用し力を発揮していけるような支援を考えていくことが必要である。このパネルディスカッションでは、患者を中心として多職種チームが患者のエンパワーメントにどのようにかかわっているのか、また患者のエンパワーメントを支える患者教育はどのように行われているのかなど、多職種のパネリストからの意見をもとにディスカッションを深め、がん看護の新たな知見を得る機会としたい。
パネルディスカッション2
「がん放射線治療と生活の調和を目指す看護ケアの創出」
パネリスト 永田 靖(広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 放射線腫瘍学 教授)
中村 聡明(関西医科大学医学部 放射線科学講座 准教授)
田墨 惠子(大阪大学医学部附属病院 がん看護専門看護師)
座  長 宮下 美香(広島大学大学院医歯薬保健学研究院 教授)
矢ヶ崎 香(慶應義塾大学看護医療学部 准教授)
日  時 2月5日(日)10:20-11:50
会  場 第1会場(高知県立県民文化ホール オレンジホール)
企画意図  近年、高精度の放射線治療の開発によって、従来よりも標的部位へのピンポイントでの照射が可能となり、有害事象を最小限に抑えつつ効果の高い治療を行うことができるようになってきた。また化学療法を併用した化学放射線療法は、腫瘍の部位や進行度によっては根治を目指す治療として、放射線治療の中でも高い効果を得ることが可能な治療法として位置づけられている。しかしこれらの治療は全てのがん患者に有効ではなく、さらに有害事象の出現も避けられないことから、患者が適切な治療を可能な限り安全、安楽に受けることができるよう、そして最大の効果が得られるよう支援することが看護師に求められる。このパネルディスカッションでは、高度な放射線治療として高精度放射線治療と化学放射線療法を取り上げ、治療の原理と実際を解説し、治療を受ける患者の生活を踏まえた看護実践の実際と課題を提示することにより、放射線治療を受ける患者への治療と生活の調和を目指す新たながん看護の役割やケアを考える機会としたい。
特別企画
特別企画1
「がん体験者と創る看護の未来像 -当事者の声を聴き、看護がなすべきことを創る-」
講  師 松本 陽子(一般社団法人 全国がん患者団体連合会 副理事長)
石川 睦弓(静岡県立静岡がんセンター 患者家族支援研究部 部長)
遠藤 久美(静岡県立静岡がんセンター がん看護専門看護師)
座  長 野村 美香(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 教授)
池田 久乃(高知医療センター がん看護専門看護師)
日  時 2月4日(土)14:05-15:35
会  場 第3会場(高知市文化プラザかるぽーと 大ホール)
企画意図  がん体験者の視点に立つがん医療・がん看護の実現には、当事者やその家族の声に耳を傾けること、そして語りを聴くことが重要である。この特別企画では、がん患者と家族をとりまく多くの課題の改善に向けて、全国のがん患者団体の連合体組織の声、さらには、がん体験者自身とご家族からの実態調査による声(がんと向き合った4054人の声)などを直接聴かせていただくことにより、がん患者と家族が直面している問題を共有し、がん教育やがん研究などにおける課題を明らかにしていきたい。また、がん患者と家族の治療やケア、生活における課題の解決に取り組み、がんになっても安心して暮らせる社会の構築に寄与するために果たすべき看護の役割やがん看護の未来についての新たな示唆を得る機会としたい。
特別企画2
「地域包括ケアシステムのコアとなるがん看護の展開-療養の場のスムーズな移行を目指して-」
講  師 吉田 美由紀(ベテル在宅療養支援センター 地域看護専門看護師)
清水 貴也(高知県健康政策部健康対策課 課長)
前田 英武(高知大学医学部附属病院 地域医療連携室 認定医療社会福祉士)
菊内 由貴(四国がんセンター がん看護専門看護師)
座  長 角田 直枝(茨城県立中央病院 看護局長 がん看護専門看護師)
豊田 邦江(細木病院 がん看護専門看護師)
日  時 2月5日(日)13:55-15:25
会  場 第3会場(高知市文化プラザかるぽーと 大ホール)
企画意図  わが国は高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的として、地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築と実現を目指して動き出した。これからのがん看護を見据えると、がん患者が高度な医療を受けながら、地域で豊かに暮らしていける社会システムと支援の仕組みが築かれ、地域包括ケアシステムの一部としてのがん看護が提供されていくことが必要である。この特別企画では、あらゆる世代のがん患者が生活する地域での社会システムの整備と支援する仕組みのあり方を検討するにあたり、今後の行政の方向性や、システム構築に向けた他の専門職の取り組みやがん看護への提案を踏まえ、医療機関、在宅医療機関などに所属する専門看護師が、がん看護を地域包括ケアシステムのなかでどのように位置づけ専門職としての役割を果たしていけるかを提言していただき、地域包括ケアのコアとなるこれからのがん看護の展開について示唆を得る機会としたい。
ナーシング・サイエンス・カフェ
「時代を拓く看護の力~がん医療の現場で働く看護師の魅力とこれからの姿~」
講  師 古郡 夏子(高知赤十字病院)
宮脇 聡子(四国がんセンター)
北添 可奈子(高知医療センター)
日  時 2月4日(土)14:05-15:05
会  場 第11会場(高知市民文化プラザかるぽーと 大講義室)
企画意図  「看護師になろうかなでもたいへんそう…」と思っている中学生・高校生のみなさま!現役看護師が看護の仕事とその魅力とこれからの姿をお伝えします。
ナーシング・サイエンス・カフェ チラシ
市民公開講座
「もっと知ろう!乳がんのこと」
講  師 杉本 健樹(高知大学医学部附属病院 乳腺センター長
      臨床遺伝診療部 部長兼務)
司  会 秋元 典子(岡山大学大学院保健学研究科教授
      一般社団法人日本がん看護学会理事)
日  時 2月5日(日)14:10-15:40
会  場 第2会場(高知県立県民文化ホール グリーンホール)
企画意図  日本人女性がかかるがんのうち最も多いのが乳がんです。しかし、乳がんによる死亡率は全体の第5位と低く、早期発見と適切な治療により、高い確率で完治が可能な疾患となっていることを示しています。そこで本講座では、乳がんの検査・診断と治療の第一人者である医師が、最新の乳がんの検査・診断と治療、乳房再建等に関する情報をわかりやすく解説します。市民の皆様にとって、乳がんを早期に発見する方法や納得のいく治療法を選ぶ指針を知っていただける機会になることを願って企画しました。市民の皆様のご参加をお待ちしております。
市民公開講座 チラシ
編集委員会主催研修会
「論文投稿における研究倫理の最新情報」
講  師 樋之津 史郎(岡山大学病院
       新医療研究開発センター 教授)
司  会 国府 浩子(日本がん看護学会編集委員長,
      熊本大学大学院生命科学研究部 教授)
日  時 2月5日(日)11:10-12:10
会  場 第11会場(高知市文化プラザかるぽーと11階 大講義室)
企画意図  学会には、研究成果についての論議の場をつくり、科学的なプロセスを経て生成された新しい知見を研究論文として世に送り出す重要な役割がある。一方、二重投稿や細切れ投稿、剽窃などの研究に関連した不正行為は“真実の探求”である研究に相容れないものであり、研究者自身はもとより学術団体に対して、さらには科学に対する信頼を損ねる行為である。しかし、二重投稿や細切れ投稿など時代とともにその考え方が変化している点があり、また明確な線引きが難しい点もある。これらを踏まえるならば、なおさら研究するものは、研究倫理についての新しい情報や知識を得て不正を排除して公正に研究をすすめていかなければならない。また、投稿論文の査読に当たる者は、論文に対する科学的視点に加えて、研究者としてのモラルに反していないかどうかについても審査することが求められる。
 そこで、今回の編集委員会企画では、治験・臨床研究・橋渡し研究を戦略的に推進するための中央施設である新医療研究開発センターの樋之津史郎先生をお招きし、研究倫理に関する最新ガイドラインの概要、論文投稿に関連した二重投稿・断片投稿の防止など,研究倫理についての最新情報についてご講演いただき、研究倫理について理解を深める機会にしたいと考えている。
教育・研究活動委員会企画 平成29年度 エキスパートナース育成事業
「がんと就労 その人らしく生きることを支える~様々な病期や生活の特徴をふまえた実践~」
事例提供者 小迫 冨美恵(横浜市立市民病院 がん看護専門看護師)
橋口 周子(兵庫県立がんセンター がん看護専門看護師)
上杉 和美(松山べテル病院 がん看護専門看護師)
司  会 菊内 由貴(四国がんセンター がん看護専門看護師)
日  時 2月4日(土)10:40-12:10
会  場 第2会場(高知県立県民文化ホール グリーンホール)
企画意図  日本がん看護学会教育・研究活動委員会では、がん看護のエキスパートナースが、実践につなぐための知識を獲得し、具体的なケア方法を学ぶ機会を提供することをねらいとして「エキスパートナース育成事業」を企画しています。この事業は、がん看護のエキスパートを対象としたレベルのプログラムであり、トピック的で困難性の高い話題を取りあげます。平成29年度は、「がんと就労~その人らしく生きることを支える~」をメインテーマに、「様々な病期や生活の特徴をふまえた実践」を取り上げます。診断期、治療期、再発・転移等の様々ながんの病期や治療が患者・家族の生活に及ぼす影響を踏まえながら、より具体的な就労支援の在り方について議論を深めていきたいと思います。本事業が、学術集会に参加された方々のがん患者の就労支援における看護職の役割と支援の実際の学びの場となることを願っています。
教育・研究活動委員会企画 平成29年度 エキスパートナース育成事業 チラシ
国際活動委員会 国際交流セッション
「香港のがん医療における中国医学の活用の実際」逐次通訳あり
講  師 Winnie K.W. So, RN, PhD
President of Asian Oncology Nursing Society(2016-2017)
(The Nethersole School of Nursing, The Chinese University of Hong Kong)
座  長 荒尾 晴惠(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 教授)
日  時 2月4日(土)14:05-15:05
会  場 第4会場(ザ クラウンパレス新阪急高知 花の間)
企画意図  中国医学は日本人に馴染みの深い伝統医学の一つであり、漢方や鍼灸を中心に日々の生活に浸透している。症状緩和をはじめとして中国医学の効果を実感する人は多く、漢方外来の開設や鍼治療の導入など中国医学を医療に取り入れる動きも始まっている。とはいえ実際のケアにどのように活用すれば良いのか、迷うことは少なくない。そこで本セッションでは、香港から来日されるDr. Winnieを講師に迎え、中国医学が香港でどのようにがん医療・看護に活用されているのか、その実際をお話いただく。伝統の中国医学と西洋医学を融合したケアの実際を学び、わが国におけるがん医療・ケアにおける活用とその可能性について示唆をえる。
国際活動委員会 国際交流シンポジウム チラシ
ガイドライン委員会研修会
「がん薬物療法における曝露対策~組織に働きかけるために必要な理論と実際例~」
講  師 渡邉 眞理(神奈川県立保健福祉大学 看護管理・がん看護専門看護師)
玉木 秀子(埼玉医科大学国際医療センター がん看護専門看護師)
司  会 平井 和恵(日本がん看護学会ガイドライン委員 東京医科大学医学部看護学科)
日  時 2月5日(日)10:20-11:50
会  場 第2会場(高知県立県民文化ホール グリーンホール)
企画意図  昨年7月に日本がん看護学会・日本臨床腫瘍学会・日本臨床腫瘍薬学会の協働により「がん薬物療法における曝露対策合同ガイドライン」が発刊された。本委員会では、曝露対策に関する知識普及のための研修会開催や、各種学会等でのシンポジウムを行ってきた。発刊から約一年半が経過し、がん薬物療法に携わるがん化学療法看護認定看護師や、がん看護専門看護師を中心に、各施設で曝露対策が検討され、整備されるようになってきている。しかし、各施設で曝露対策を推進するためには、知識の普及だけでなく、施設の管理者の理解を得ることや他部門との調整・交渉が必要であり、その点に難渋しているという現場の意見が多く聞かれる。
 そこで本研修の目的は「がん薬物療法における曝露対策合同ガイドライン」に基づく実践を自施設に導入するための理論を学び、また、実際例を通して自施設での曝露対策に役立てることである。
がん看護技術開発委員会主催研修会
「外来がん看護体制の充実に向けて-新たな仕組みづくり-」
講  師 渡邉 眞理(神奈川県立保健福祉大学 准教授
      がん看護専門看護師)
遠藤 久美(静岡県立静岡がんセンター
      がん看護専門看護師)
坂下 智珠子(北里大学病院 がん看護専門看護師)
司  会 森 文子(国立がん研究センター中央病院 副看護部長
     がん看護専門看護師)
日  時 2月5日(日)13:55~15:25
会  場 第8会場(高知県立大学 永国寺キャンパス A105)
企画意図  がん治療は、入院による治療から外来通院による治療へ大きく変化してきました。今後はますますその傾向が強まっていくことが推測されます。また、高齢化の進展等により、療養支援が必要な外来通院患者も増加しています。このような状況のなか、外来看護体制を充実させるさまざまな取り組みが始まっています。
 本研修会は、外来看護体制の充実の必要性とその方法の実際例を共有することと、さらに今後の診療報酬改定にむけた動きへつなげていくことを目的として開催いたします。
 今年度は、第31回日本がん看護学会学術集会のプログラムの一部として、会員・非会員を問わず、多くのみなさまに参加していただける企画としました。ぜひご参加ください。
がん看護技術開発委員会主催研修会 チラシ